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熱の話 1

またまた更新が遅れに遅れてしまいました。
ISO-BAR導入後にいろいろなテストを繰り返し、今までには考えもしなかった現象や製品の状態を目の当たりにして本当に多くの学びがありました。
これからもテストは続きますが、営業運転に関しての我々が目指す当初の到達点にはもう少しのところまでたどりつきました。

糊量の削減、燃料の削減だけではなく、熱量の低減と合わせ速度のアップについても道筋が見えてきました。
当初予定した2ヶ月で見極め、3ヶ月までに完成型という目標を果たすためには仕上の時期となります。
必要な周辺整備が出来れば、いよいよISO-BARによるラインの改善から生まれる効果が実現され、実感できるようになるはずです。


そんな中で、今日の話題は【熱】です。
ある意味、マニアックな話題でもあるのでご容赦くださいね。
段ボール製造ラインである「コルゲーター」と呼ばれる機械に関するもので、数ある重要なファクターの中でも最重要項目と言えるのが【熱】なのです。
下の図は、貼り合わせ前の紙の表面の温度を連続で測定し、時間による変化をグラフ化したものです。
赤は紙の手前側の端、青は奥側の端の温度です。バラツキやすい両端と考えてください。

20091019120201789_0001-3.JPG
縦軸は温度の変化、横軸は時間の経過です。左から上昇している間は準備時間、右の下降している間は作業終了後の温度低下で、その間の比較的安定した温度帯が接着に使われる熱です。
そんな中にもブレ巾が大きくなるところがあるのです。

わずかな時間の経過の中で、紙の表面温度に変化が生じるのがわかります。
当然ですが、この熱を糊が受け取り、貼り合わせに必要な熱の一部になるわけですから、変化のバラツキが大きくなれば、糊による接着にも影響がでてきます。
澱粉を使った接着液は、おおよそ70℃でゲル化(ネバネバになることです)し始め、100℃近辺で糊としての機能が最大化します。
この必要な熱を紙という媒体を通して糊に伝えなければなりません。
難しいのは、ヒーターはボイラーからの蒸気により熱せられていますが、同時に紙によって熱を奪われていく身だということです。
熱の足し算と引き算が同時進行で発生するため、このヒーターの表面温度を完全に安定することはほとんど不可能です。
そのため、足し算側であるボイラーからの蒸気の送り込みも、温度ではなく【圧力】を基準に管理されます。
しかし、この圧力の安定にもバラツキはありうるわけで、バラツキのうえにバラツキを重ねていくとどんどんドンブリ勘定的に熱は上がっていってしまいます。

ISO-BARの最大の利点は、薄く均一な膜厚を維持できることにより、必要な熱量も狭い範囲内の設定でカバーできることにあります。
しかし、その熱を供給する周辺の安定性がなければ宝の持ち腐れとなってしまうのです。
段ボールの低温接着とは、低温で貼る技術以上に、貼りあわせるための狭い条件設定範囲をバラツキを最小限に押さえ込み維持管理して、安定した製品品質を作り込む取組みだと考えます。

機械構造や糊の理論、さらにはボイラーを含めた熱についてのノウハウの全てが混ざり合って、難解ではありますが同時にとても楽しくISO-BARに取り組んでいます。
紙同士を貼りあわせるために、必要な安定した熱を供給し続けることの難しさがありますから、そろそろ冬の寒さにも備えなければなりません。

次回は、ISO-BARの進捗報告とともに、如何に寒い冬をのりきるか?についてご報告します。

ISO-BAR稼動スタート!!

ラボブログへの投稿も久しぶり。
新しい機械や技術を導入するぞ!と意気込みだけ記事にしといて、その後の報告がないのは「ひょっとして、上手くいってないんじゃね~の???」と誤解を招くのではないかと心配になり、慌てて投稿記事を作り始めた次第です。

しかし、正直な話、新技術導入にはいろいろなハードルが待ち構えており、なかなか記事をアップする余裕が生まれなかったのは事実なのです。
やっぱり何かと大変なんですよ~。。。

お盆休みのISO-BAR設置工事については、三代目ブログのほうで何度かアップしてもらってますのでそちらをご覧ください。
旧機の撤去から設置までは予定通りに順調に推移し、その後の電気、配管工事や調整も一部トラブルはありましたが、イソワ様のプロジェクトチーム、組立、電子のスタッフをはじめ、KOHLER社から来ていただいた2人の技術者、基礎や配管、一次側電源を担当くださった各業者の皆さんのおかげで無事完了しました。
もちろん、ポイントでは多くのご苦労をお掛けしたわけですが、工事に関しては「終わりよければ全てよし!」というわけで16日からのテスト貼合に望んだのです。

さてさて、ここからが本番です。
なんたって日本で初めての貼合実績となる機械ですから、全ての設定が今までとは勝手が違う。
「今まではこうなってた!」といくら言ってみても、この機械にはすぐには反映できない。
それどころか「この機械にはそんなの付いてない!」とかなっちゃって、今更ながらに「やっぱり違うんだ~。。。」と、この機械が持つ価値観と従来の考え方とのギャップを痛感したのでした。

とは言っても、そこはイソワ様のプロジェクトチームが入念に調べ上げたデータをもとに初期値を入れてなんとかスタート。
我が社のメンバーは生唾をゴクリと飲みながら「ちゃんとくっつくのか~?」と待ち構えていました。
そして出てきた記念すべきISO-BARの貼合第1号(祝!日本初)のBフルートは、びっくりするほどの反りでコロンコロン。
それでもちゃんと貼り合わせはしっかりできてて一安心。
反りは、初期値で糊をたくさん出し過ぎていたからとわかり、その値を修正するとお見事!フラットな段ボールシートが登場してきました。
「よっしゃー!」と喜ぶのも束の間、出てきたシートの接着力が基準以上となっているかの確認検査がその後に続きます。

段ボールの紙の構成には【薄い軽い系】もあれば【厚い重い系】もあります。
さらには【極ぶ厚い、やたら重い系】というのがあって、これを貼るのは一苦労です。
これらを一通りテストしてみて、今後の営業運転での品質確保と改善の方向性を決めていくわけです。
16日の段階では、ISO-BARが持つ特性を最大限に引き出すというものではなく、まず今までのやり方に近いところで貼合実績を積上げるという位置付けでテストを行ないました。

どんなときでも貼合テストの苦手は【厚い重い系】なのですが、やはりその傾向は出てきます。
もちろんそういった問題は全て『糊と水と熱の量』で解決されていきます。
ISO-BARを使ってこれらの要因を従来に近い水準で設定しなおし、お客様に供給不安や品質面での不安をお持ちいただかなくてよい状態に安定させてから、次のステップでは省エネ、資源の削減、そして熱低減による段ボール品質の向上に向けてトライしていくのです。

実はすでに一定のステップアップは進んでいるのですが、その報告は次の機会に。

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写真は紙を通して稼動しているISO-BAR.。
上の、赤いロールがテカッて見えるのがウォーターデッキ。表面に薄い水の膜ができているためにテカッているのです。
下の写真はISO-BARの出口側。シートになる片段や表の紙は、ここから問題の熱盤に入っていくわけです。

新設備 ISO-BARのご紹介

最終段階の調整も終え、みなさんにやっとご紹介できるようになりました。

もったいぶっていたわけではありませんが、この8月に導入する新設備はISO-BARという名のグルーマシンです。

img1.gif

段ボールの板を作る装置は”コルゲートマシン”といわれる複数のユニットの集合体です。
ただし、それらのユニットは何かひとつでも欠けたら段ボールの板を作ることはできません。
コルゲートを一つの機械という捉え方をしても問題はありません。

その中で、グルーマシンというのは先に出来上がっている片段(1枚の紙に中芯が段成型された状態で接着されたもの)の段頂に糊を塗る機械です。
この機械を通過した後に、箱にしたときの化粧面となる表ライナーと片段は接着され一枚の板へと加工されていきます。

しかし、このグルーマシン直後には糊を熱してゲル化(ぐじゅぐじゅしたゼリー状になることをいいます)させたうえで接着、乾燥させるための熱盤を通過させねばなりません。
この熱盤が問題なのです。
グルーマシンで塗布された糊をゲル化→接着、乾燥にもっていくためには、160~180℃という熱が安定的に必要となります。
ですが、紙は本来 繊維質を水で溶かしたものを絡み合わせて抄き上げたものなので、この高温であぶられてしまうと水分は蒸発し、繊維の絡み方も変化しはじめ急速に劣化してしまうのです。

当社では(多くの段ボールメーカーさんも同じだと思いますが・・・)長年にわたって ”糊には熱が必要⇔紙には過剰な熱は禁物”という大きなジレンマの中で苦しんできました。

そんな中で登場したのがこのISO-BARです。
このグルーマシンは塗布する糊を極めて薄くするうえに、安定した膜厚で変動巾を小さくすることで糊全体に対する必要熱量を大きく下げることができるようになったのです。

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当然ですが、それは糊の消費量を減らし、熱源であるボイラーの燃料である重油の削減をもたらします。
エコという点でも注目すべき価値を持っているのです。

ところが、この機械は日本初お目見えというレアな品物。
皆様に堂々と発表できるまで検証に時間がかかったというわけです。
もちろん、現在でもこのISO-BAR導入に向けて、技術面であれこれと社内では喧々諤々の議論を続けております。
一部にはノイローゼ気味といえる人も現われる始末・・・。

それでも、ここまでこぎつけられたのはメーカーである㈱イソワの磯輪社長をはじめ営業、技術面のフォローあってのことです。
プロジェクトチームの方々には、これ幸いとあれこれお願いしちゃっても快く対応していただき、なにやら得した気分も味わいながら進んでいます。
この場をかりて 心からの感謝・・・。

㈱イソワ:http://www.isowa.co.jp/index.html

新設備導入前の準備は着々と・・・

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ISO-BARという新しい設備を導入することに決めてから、私どもでは対応可能な周辺の改造と整備に取り掛かっています。
この新しい設備は、従来の段ボールシートの貼り合わせの条件を大きく変えて、糊や熱量を大きく減少させる設計がなされています。
エネルギーや糊という原材料を減らす効果と、紙に必要以上な熱を加えないことによる紙の劣化の低減という二つの大きな効果が期待されています。

ところがここで一つ大きな問題にぶちあたってしまったのです。
それは、従来の蒸気配管の設定のままでは新方式の熱設定に対応できないという問題でした。
従来では糊を接着できる性質に変えたうえで、接着→乾燥(安定)にもっていくためには、160~180℃の温度帯であったものが、新方式では140℃以下へと変わるからです。

早速信頼できる業者様と検討を重ね、決まった設備内容を構築しているわけです。
写真はボイラーから熱盤(段ボールを貼り合わせるための熱供給板です)に蒸気を送り込むラインの再整備途中の写真です。

ここに、蒸気を設定値に対し極力変動させないための電動減圧弁なども追加して完成します。
もちろん、ここにはアップできないようなノウハウも導入されるんですよ。

新しいことに取り組むときの苦しさや難しさは当然ついて廻るものですが、それをクリアできるとしたら、これほど楽しいこともありません。
大成功と呼べるような結果を出すべく、頑張っているところです。

この新設備に関しては継続してアップしていく予定です。
興味がおありでしたら、是非定期的にのぞいてくださいね。。

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